キミがくれるしあわせ
今日も、いつものようにお散歩に行った。
もちろん、お散歩の途中にあるお昼寝スポットでお昼寝をするのも、いままでと変わりませんっ。
今日の場所は、自販機の横。
だんだんと寒くなりつつあるこの時期のお気に入りのひとつ。
ほんとは自販機の後ろが、少し熱をもってて一番暖かいんだけど、後ろだと太陽が当たらないし、なにしろ汚い。
だから、暖かさは劣るけど横にうずくまって寝てるんだ。
「―――――ぃ、……おい。鈴、起きろ」
どこかで聞いたことのある声が頭に響く。
心地のよい低音ボイス。
それに、このにおいは……
もしかして……。
「玲…さん……?」
ゆっくりと目を開くと、思った通り、スーツをかっこよく着こなす玲さんがいた。