悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
もう少しで、ヘンリーの収入も入って少しは食事も出来るようになったかもしれないのに。
こうやって、息子が立派な執事になった姿を見ることもなく、亡くなってしまったんだ。
こういう貧富の差も、これから無くなったいくよね?
今度ヘイリに相談してみよう。
今の世継ぎはヘイリだから。
人間との共存をはかるまえに、まずは自分たちの住む魔界の環境をよくしてほしいって、言ってみよう。
「は!申し訳ございません!!私の身の内をこんなにもベラベラと」
我に返ったようにハッとしたヘンリーは慌ててあたしに深く頭を下げてきた。
「ヘンリー!頭をあげてよ。あたしにはそんなに気を使わなくていいから」
あたしはヘンリーの肩を掴んで頭をあげさせた。
ヘンリーはやってしまったという表情をしている。
「大丈夫、このことは誰にも言わないから」
あたしは、自分の鼻の前に人差し指を持って行って微笑んだ。
ヘンリーはまた、深く頭を下げた。