悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
「何? 梓。あたし昨日寝てなくて頭痛いの。あんま揺らさないで」
「またそんな色気のないこと言って!!!今の聞いた!?ルカ様、ここに好きな人がいるんだって!!!」
頭が痛いと言っているのに全く人の話を聞いていない梓は、あたしの肩をまた激しく揺らして後ろの彼を指差した。
あんまり振り返りたくはなかったけど、ゆっくり恐る恐る振り返る。
変に鼓動を高鳴らせて……。
ドックン……。
やっぱり……彼の顔を見ると、心臓を何かに掴まれたように苦しくなる。
彼の白い肌も、グリーンの瞳も、整い過ぎた顔立ちも……。
“知ってる“
ほら、また。
あたしの中で、小さなあたしが何かを訴えかけている。
「ふーん。いいんじゃない?別に好きな人がいても」
「はっ!?いいんじゃない!?あんたはアホかっ!!!!」
素気なく答えると、すぐに梓から一発頭を叩かれた。