悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
乱れたボブヘアを整え、横髪を耳に掛けながら梓に口を尖らせる。
「いったいなぁ。なにすんの?」
「サラは男子に興味がなさすぎ!!!あたし言ったよね?サラのその冷めた態度に何人もの男子が泣いてるの!!!」
「だーかーらー。そんなの梓の勘違いだから。それに、あたし別に冷めてないから。ただ、興味がないだけ」
「それが男子を泣かせてんのーっ!!!!」
バシッ!!
また梓に叩かれ、さっき耳に掛けた横髪が乱れる。
「……っク」
突然。
本当に突然、後ろから小さな笑い声が聞こえた。
目を丸めて彼を振り返ると、口に手の甲をあてクククと笑っている。
「……え、なに?」
混乱して、思わず彼に聞いてしまう。
何故か、彼の笑った顔を見て、ジワリと涙が浮かんできた。
……どうして?