悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
すると、庵可くんはバタンッと本を閉じ、あたしの顔を覗き込んできた。
間近で、可愛い笑顔を咲かせる庵可くん。
「太陽と月のように、人の心も重なるんです」
あたしは更に首を傾げる。
「つまり、片想いの相手に気持ちが伝わって、両想いになれる日。僕達のように」
口角をあげ、あたしに返事を求めるように庵可くんは眉を上げた。
あたしはサッと庵可くんから目を逸らした。
「なーんて」
庵可くんはイタズラっ子のように笑い、あたしから顔を遠ざける。
「今僕が勝ってに考えたことですけど」
ナハハと笑う彼に、あたしはため息をつきながら表情を緩める。
「そんなキセキはないってこと?」
あたしが聞くと、庵可くんは手に持っていた本を本棚しまいコクンと頷いた。
「でも、人の心も重なるとか本当にあったらすごく感動的じゃないですか?」
まぁ……確かに。
言われてみれば……。