悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
「どう?僕、結構ロマンチストでしょ?」
また庵可くんがあたしに顔を近づきてきた。
カチっと固まるあたしの体。
身動きが取れなくて、息すらも出来なかった。
「あ!指輪付けてる!!もしかして、それ黒羽さんから!?」
庵可くんはあたしの右手についている指輪に気づき、勢いよくあたしの右手を握ってマジマジと指輪を見ている。
「うわー。ねぇ、これ本物っすか!?」
指輪の中央についているダイヤモンドっぽいものを見ながら驚いている。
あたしはまた固くなった頭をギシギシと捻る。
どうも、こういう男子からのスキンシップに慣れない。
今まであんまり男子と接点を持っていなかったせいか、緊張して仕方ないんだ。
「こんなところで何をしているのだ」
あたし達の横から、不機嫌な声がした。
見上げると、無表情の中にもフツフツと怒りに満ちているルカが立っていて、あたしはサッと庵可くんから手を離した。
ルカは敵対心むき出しで庵可くんを睨みつけ、あたしの手を掴んで引っ張った。
すると、今度は逆の手を庵可くんに引っ張られ、あたしの両手を左右に伸びる状態に。
「何をしている、離せ」
「嫌です」