悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
「な、何もしてないよ」
あたしは目だけでルカを見上げる。
「気にくわない。アイツの胸糞悪い匂いがプンプンする」
ルカは壁に手をつきながら、あたしに顔を近づけてきた。
そして、頬にキスをする。
「ちょ!!何するのよ!!」
かぁっと頬が熱を持ち出す。
「黙ってろ。アイツの匂いを消す」
そう言って、今度は首筋にキスをしてきた。
首筋から、また頬に戻ってきて、最後におでこにキスをしたルカはゆっくり体を離した。
「あれだけ俺から離れるなと言ったのに、俺の命令を破るとはいい度胸だ」
グッとあたしの耳元に口を近づけてくる。
「覚悟しておけ」
ルカの、低く甘い声が耳から体内に入って来た。
そして、ルカはズボンのポケットに両手を入れて先に歩いて行く。
体が震えた。
体中の血液が暴れ出し心臓が壊れそうなくらい高鳴る。
『覚悟しておけ』
ルカのその一言が、右耳に残り神経が震えた。