悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~


どんどん衰弱していった下級悪魔は、使い物にならないからと家族の見ている前で殺された。


その絵を見ているだけで気分が悪くなって、あたしは目をぎゅっと瞑って本を閉じた。


信じられない。


あたしも牢屋に入れられたことがあるけど、それだけで気が狂いそうになった。


それなのに、あんなにムチで叩かれ火で焼かれ、食事も与えられず働かされるなんて……。


ヘイリがああだったんだから、これはつい最近まで続いていたってことだよね?


昔の話ではないんだ……。


ガタン……っ‼


本棚の奥で突然物音がして、ビックリした体が大きく跳ねた。


……なに!?


あたしは重たい本を本棚に戻し、つばをごくりと飲み込んで本棚の隙間を覗き見る。




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