悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
あたしも、周りに聞かれないように声を潜める。
あたしが言うと、ルカはフンと鼻で笑った。
「分かっているではないか。さすが俺が選んだ女だ」
ルカが口角を上げる。
だけどあたしは、ときめかなかった。
ときめいてる余裕はない。
今は、気持ちをしっかり持たないといけないような、そんな気がしたから。
「あの胸糞悪いヤツと、あそこにいるおまえの友達を連れてこい」
ルカは、帰宅準備をしている梓の後ろ姿を顎で指した。
あの胸糞悪いヤツとは、きっと庵可くんのことだろう。
あのふたりを呼んで、一体何をするつもり?
あたしは首を傾げつつも、ルカの言う通りふたりを放課後の教室に呼んだ。
夏休みをを控えたみんなの帰りは早く、教室にはあたし達4人しかいない。
話をするには、絶好のチャンスだ。
「なんすか?なんすか?黒羽さんから呼び出されるとか、なんかいいっすね‼」
相変わらずテンションの高い庵可くんは、隣の梓に同意を求めるように笑顔を向けた。
梓もルカを見て目を輝かせている。