悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
「あの契約書に署名してからルカ様に迷惑をかけないようにってあまり近づかないようにしてたんだけど、ルカ様から声をかけてくれるなんて」
“消滅“
梓はきっと、消滅という言葉が怖かったんだろう。
偶然屋敷に入ってしまって契約書に署名をしてから、一度もルカに話しかけていなかった。
「よいか、よく聞け。今日は重要な事を話す」
ルカは表情を動かすことなく声を出した。
あたし達3人は、ジッとルカを見る。
「魔界であるフェスティバルが行われることになった」
「フェスティバル?」
この、事件が起こりそうって時にお祭りだって!?
何を考えてるの?
「サラ、おまえはよく知っているだろう。我ら悪魔が人間との共存を求めているのは」
あたしはただ細かく頷いた。
もちろん知ってる。
それは、フランさんがずっと願っていたことだ。
今は、ヘイリがそれを継ごうとしてる。
「父上が、人間との共存を図る為に一番重要なのは直接人間と関わることだとしたのだ」
あたし達は3人で同時に頷く。