悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
「サラ。おまえは魔界では既に有名な存在だ。知らない者はいない」
……有名って。
「”王子の選んだ人間の女“。王族の期待が、おまえに寄せられている」
梓が口元に手を当て、ニヤケている。
だけど、あたしはやっぱりときめかない。
それどころか、不安が増すばかり……。
こんな時にフェスティバルを開くなんて、理解できない。
これも何かの作戦のひとつ?
それとも、本当にただのお祭り?
何が起こっているのか、何をしようとしているのか。
誰が、動き出そうとしているのか……。
謎ばかりが増えていってる……。
「このフェスティバルには、実際人間に参加をしてもらわなければならない」
そう言って、ルカは庵可くんと梓に目を向けた。
「協力してくれるな?」
ルカの言葉に、梓も庵可くんも大きく頷いた。
「あ!でも、ルカ様」
梓が人差し指を立てて何かを思い出したかのように言う。
「フェスティバルって、その、魔界であるんですよね?」
「そうだ」