悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~


「あたし達が、魔界に行くってこと?」


ルカはやっぱり無表情のまま、頷く。


「悪魔たちが人間を知ると同時に、おまえらには悪魔を知ってもらう。もちろんこれを口外したら契約書通り即消滅だ」


ゴクリ。


梓のつばを飲む音が聞こえた。


「しかしこれは俺ら王族が招待したことだ。そんなに気を張らず気楽に参加してもらえればそればよい」


ルカの言葉に、少し梓の肩から力が抜けたような気がした。


あたしは、ルカの横顔をジッと見る。


多分、ルカは何かを試そうとしてる。


それが何かはわからないけど、そんな気がするんだ。


日食と、結界が緩んだ原因と、このタイミングでのフェスティバル。


きっと、何か関係があるはず。


……あたしの考え過ぎ?





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