悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~


翌日、あたしは制服に着替え、スタンドミラーの前で、スカートの中に入れっぱなしにしていたシルバーのネックレスを取り出した。


そのネックレスを握ると、頭の中に何か映像が流れそうになる。


だけど、その映像はザーッと砂嵐に消され、古くなったDVDを見ているように途切れ途切れでよくわからない。


黒羽くんと、昨日の執事と。


あと、何人か映し出されるんだ。


ざわざわざわと……。


このネックレスを通して、会話も聞こえてきそう。


あたしがずっと握っていたせいか、ネックレスが熱を持ち出し少し熱くなった。


これ、どうしよう……。


一体、誰のものなんだろう……。


あたしのポケットに入ってるってことは、梓のとか?


でも、梓はこんなシンプルなものではなく、もっとこう派手な可愛いネックレスを買うと思うんだよね……。


ちょっとだけ……今日だけ……付けていてもいいかな。


それでもし自分のだと持ち主が現れたら、その時は返したらいいよね……?





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