悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
あたしが何を隠しているのかルカに問われると思って身構えていたのに、全くそれについて触れてこなかったので素っ頓狂な声を出してしまった。
「何を抜けた声を出しているのだ」
ルカが嫌そうに眉を寄せる。
「あ、いや。うん。わかった。挨拶ね。オーケーオーケー」
ハハハ。と、苦笑いをルカに向ける。
よかった……。
何も勘付かれてなかった……。
「ヘラヘラするな。気を引き締めろ」
またルカのグリーンの瞳がジッとあたしをとらえる。
「気を抜いていると、おまえなんかすぐに下級悪魔に喰われるぞ」
ルカは恐ろしい言葉をサラリとクールに言い、そのまま廊下を歩いて行った。
「シキ、行くぞ。あいつらを連れてこい」
廊下の途中でシキに言い、ひとりさっさと歩いて行く。
シキはルカの背中にお辞儀をしたあとあたし達を振り返り、「では、参りましょうか」と微笑んだ。