悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
「あ、ううん、いいの。大丈夫。ありがとう」
あたしは両手を顔の前で振り、肩をすくめる。
よかった。
ちゃんとヘンリーも魔界へ来たんだ。
少しは、何か調べられるかな?
「サラ」
横から声を掛けられ振り返ると、先に魔界に来ていたルカが立っていた。
「一緒に来い。まずは父上の所に行こう」
あたしは口角を上げ頷く。
「シキはこのふたりを部屋へ案内しろ。サラの荷物も持っていけ。挨拶が済んだらこのふたりも行動へ移ろう」
「かしこまりました」
シキは深くお辞儀をすると、あたしから大きなボストンバックを受け取り、梓と庵可くんを連れて廊下を歩いて行った。
しばしのお別れに、あたしは梓と手を振り合う。