悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
「サラさん‼」
パーティ会場である大広間の扉を開けると、執事やメイドさん達と打ち合わせをしていたフランさんがすぐにあたしに気づき声をかけてくれた。
大歓迎というように両手を広げてあたしに近づいて来たフランさんと、久しぶりの再会に強く抱き合って挨拶。
「フランさん‼お久しぶりです‼」
あたしがフランさんに抱きつきながら言うと、フランさんは大きな声で笑いながらあたしの背中をバシバシ叩いた。
あたしはてっきりフランさんの部屋に連れて行かれるのかなと思って少し緊張していたけど、フランさんは王族の衣装を身にまとい何故かこの会場にいたんだ。
それも、自ら周りに指示を出しているように見えた。
「フランさん、どうしてフランさんがこちらに?」
大魔王なんだから、準備が全て終わってから来ればいいのに。
あたしが首を傾げながら聞くと、フランさんはハハハと笑って会場を見渡した。
「このフェスティバルは、私達が一から参加して計画をしたのだよ?」
「え?フランさんもですか!? 大魔王なのに!?」
あたしが目を丸くすると、フランさんは顎の白ひげの部分をカリカリかいた。