悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
「サラさんの教えがあって、ちょっとね」
「あ、あたしの教え!?」
驚いてルカを見ると、ルカはクールな表情のままただ肩をすくめる。
「サラさんが以前こちらに来た時、ここはどのようなイメージだったかな?」
……え。
以前、ここに来た時……?
「前は、その……何ていうか……」
「良い。思ったままに言ってごらん」
あたしが言いにくそうに言葉を濁していると、フランさんは困ったように笑った。
「はい……。あの、前、ここに来た時は、寒気はするしジメジメするしで、正直居心地のいい所ではありませんでした」
うんうん。と、フランさんが頷く。
「悪魔達のあたしを見る目も冷たく凍っていて、恐怖心ばかりで……」
「…………」
「あ!でも、今日ここに来て、そのイメージは全くなくて、とても温かみのある場所に変わっていたので驚きました‼」
最後は殆ど力んで声を出していた。
とてもいい変化を、どうしても伝えたくて。