悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
ネックレスの力
「今日はこのようなたくさんの方々にお集まり頂き、とても嬉しく思います」
フランさんが両手を広げ、集まった悪魔達に言葉をかける。
悪魔達は椅子の横に立ちながら、微笑んでフランさんに目を向けていた。
「本当はもっと早く、こうやって皆さんが集まれる場を設けるべきだったのに、申し訳ありません」
フランさんの頬笑みを見ていると、とても心が落ち着く。
悪魔の頬笑みが落ち着くなんて、ちょっと変かな?
「今回のこのフェスティバルのテーマは、『悪魔と人間の共存』。今日この会場に、3人の方を人間界からお呼びしました」
フランさんが言うと、悪魔達は自然と梓と庵可くんの立つテーブルを振り返り、ふたりは恥ずかしそうに頭を下げていた。
そして、あたしの方にも視線が向いたので、ルカの隣で小さく頭を下げる。
「私達悪魔は、人間から学ばないといけないことがまだまだ多くあります。このフェスティバルを通して人間との交流を深め、この魔界をよりよく変えていければ良いなと思っております」
パチパチパチと拍手が起こる。