悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
「おまえ、それ……」
ビックリした。
ビックリするくらい、懐かしかった。
彼の手の感覚、丸める目、あたしに掛ける声。
その全てが。
「な、なに……?」
朝から頭が混乱する。
「……ちょ、腕、痛い」
あたしが小さく答えると、彼は目を泳がせるように「あ、ああ、悪い」と謝った。
「そのネックレス、どうしたんだ?」
……え?
どうして、そんなこと聞くの……?
このネックレスのこと、何か知ってるの……?
「不思議なんだけど、あたしのスカートのポケットの中に入ってたの」
何かわかればと、彼に話す。
「誰のかわからないけど……なんか……すごく大切な物な気がして、さ」
……大切な物……?
自分で言っておきながら、なぜそんなことを言ったのかわからない。