悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
「まぁ、持ち主が見つかったら返すつもりだけど、それまでちょっと、付けておきたくて……」
あたしは、彼に向かって肩をすくめた。
この話はもうここでおしまい。
あたしはなんで彼にこんな話ししてんだろう。
このネックレスに対して、彼はそこまで興味を持ってないのに。
さっきこのネックレスについて触れてきたのは、ただの話題作り。
深い意味なんてないのに……。
あたしって、バカ……。
ガシッ……。
「……ッ!?」
また、彼があたしの腕を強く掴んできた。
驚いて、二の腕と彼の顔を交互に見る。
ドクンドクンドクンドクン。
乱れる鼓動で、目の前がぶれる。
眉をハの字に垂らし、困惑しているような彼の表情。
きっと、あたしも同じ表情をしてると思う。
……なんでそんな顔をするの?
何か言いたいことがあるなら、はっきり言ってよ。
あたしに何が言いたいの?
もう、考えるのは苦しい……。