悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
梓と声が重なる。
「はい。皆様がこの屋敷にいる間は、メイドや執事がたくさんおりますので、今のうちに休暇を取ることになりました。ヘンリーはこの休暇を使ってご両親のお墓参りに行くと言っていましたが」
両親のお墓参り……。
「休暇って、どのくらい?」
あたしが早口で聞いたら、またシキが驚いた表情をする。
「サラ様たちがこちらに滞在する1週間の予定ですが……。何かございましたか?」
シキが首を傾げたので、あたしはううんと首を振って、シキから離れた。
「ヘンリーが休暇ってことは、その間は何も動かないってことかな」
梓がコソコソとあたしに耳打ちする。
「わからない。この城にいないから何もないかもしれないけど、他に仲間を置いてる可能性もあるよね」
あたし達は探偵のように推理をする。
「仲間って……。この中に、その仲間がいるかもしれないってこと?」
梓の体がピッタリにあたしにくっ付いて来て、不安そうに辺りを目だけで見回す。