悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~


ユラユラと燃える、頼りない光。


この湿気で、炎が弱っているように見える。


いつ消えてもおかしくない光りをもとに、視界の悪い足元に注意しながら一段一段階段を下りていく。


この下に何があるんだろう……。


ひとつひとつの松明の距離が遠いので、数歩先を行くフランさんやルカの姿ですらあまりよく見えない。


きちんとみんなついてきているか後ろを振り返って確認するけど、あたしのすぐ後ろにいるシキを確認できただけで、その後ろは見えなかった。


どのくらい階段を下りただろう。


足元を見ると、その先は平らのようだ。


……着いた?


階段を降り終わったそこは、光が全くないただの暗闇。


ここがどこで、どういう造りになっているのか見えない。


ただ、肌寒いだけ。


暗闇に目が慣れてきても、何も見えないほど真っ暗だ。




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