悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~


もし、フランさんが王になってなかったら、今でも奴隷制度は続いていたかもしれないって事?


今も、この牢屋で無理矢理誰かが働かされていたって事、か……。


時間はかかってしまったけれど、本当になくなってよかった。


「王になった私は、どうにか今までの罪滅ぼしをしようと、これを作ったのだよ」


そう言って、フランさんはまた両手を大きく上に掲げ、いくつかの松明に灯りを灯した。


あたし達の目の前に、均等に並べられた4つの大きな松明。


そして、その奥には……。


「が、骸骨……?」


あたしは言って、つばをゴクリと飲み込んだ。


透明のガラスからこちらを見ているのは、多くの骸骨達。


悲しく何を訴えるように、こちらを見ていた。


一体、何体の骸骨が入っているんだろう……。


「これから私達に出来ることは、このようなことを二度と起こさないこと」


フランさんが強く言うと、ヘイリやルカ、そしてここに来た全員が頷いた。




< 204 / 296 >

この作品をシェア

pagetop