悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
もし、フランさんが王になってなかったら、今でも奴隷制度は続いていたかもしれないって事?
今も、この牢屋で無理矢理誰かが働かされていたって事、か……。
時間はかかってしまったけれど、本当になくなってよかった。
「王になった私は、どうにか今までの罪滅ぼしをしようと、これを作ったのだよ」
そう言って、フランさんはまた両手を大きく上に掲げ、いくつかの松明に灯りを灯した。
あたし達の目の前に、均等に並べられた4つの大きな松明。
そして、その奥には……。
「が、骸骨……?」
あたしは言って、つばをゴクリと飲み込んだ。
透明のガラスからこちらを見ているのは、多くの骸骨達。
悲しく何を訴えるように、こちらを見ていた。
一体、何体の骸骨が入っているんだろう……。
「これから私達に出来ることは、このようなことを二度と起こさないこと」
フランさんが強く言うと、ヘイリやルカ、そしてここに来た全員が頷いた。