悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~


「サラさんに達に来てもらったのも、こういった事実を知ってもらい、その上で私達に接して欲しかったからなのだよ」


ゴクリとつばを飲み込んだけど、緊張と恐怖の連続であまりつばが出てこない。


気づけば、喉がカラカラだった。


「そして、二度と起こさないと、我々が誓う為だ」


フランさんは、あたし達の後ろにいる数人の悪魔達を見据えた。


「これからもどんどん街を変えて行こう。みんなでいい魔界を作って行くのだ。歴史は消えない。だからこそ、これから新しい歴史を皆で作って行こうではないか」


執事やメイドさん達も頷く。


過去に惨い仕打ちをされ、あそこに眠る多くの人達の悲痛の叫びは変えることはできないけど、これを繰り返さないことが、残されたあたし達に一番必要なことだ。


この過去を知った上で、平和を守って行かなければならない。


平和への強い願いと、二度と繰り返さないという固い誓いを、このフェスティバルで一番フランさんが伝えたかったことなのかもしれない。





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