悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~


授業中、ずっと後ろの席から視線を感じていた。


彼に対してあたしの神経が敏感になっているせいかもしれないけれど、気になってしょうがない。


前からプリントが回ってきても、出来るだけ振りかえらないように手だけでプリントを後ろに回したり、休憩中もどこに行くわけでもないのに教室から逃げ出したりして一日を過ごした。


息苦しかったから。梅雨の湿気のせいでなおさらだ。


二の腕に残る、今朝の彼の手の感覚。


制服の上から自分の二の腕に触れると、何だか温かさがある。


それは自分の体温とかではない。


彼の……黒羽くんの温もりだ……。


「……ッ!?」


放課後。


彼と目が合わないように教室を足早に出ようとすると、後ろから強く腕を掴まれ引きとめられた。


教室のドアの前で驚いて振り返る。


また、彼だ。




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