悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
あたしは、今までの出来事を全て話した。
図書室で、ヘンリーに宛てた紙を発見したこと。
そして、ネックレスが何度も彼に反応していたことも。
すると、隣に座っていたルカが勢いよく立ちあがって、あたしを見下ろした。
「何でそんな大事なことを今まで黙っていたのだ‼」
ルカは早口で少し口調が荒かった。
フランさんとヘイリも、あたしの話しに身を乗り出している。
「だ、だって、紙に書いてあった名前が本当に彼のことなのか定かじゃなかったから……」
あたしが途中で口ごもると、シキが一歩前に出てきた。
「途中で口を挟んで申し訳ありませんが、私は一度もヘンリーに図書室の掃除を命じたことはありません」
「え?」
シキの眉間にシワがよる。
「ヘンリーは執事ですがまだ新人ですので、ひとりで行動させることはまだしておりません。経験のある執事達と共に行動をし、先輩執事の動きを学ぶ時ですので」
「…………」
「特に図書室は……」
シキが言葉を区切ったので、あたしは首を傾げてシキを見た。