悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
「ヘンリーは休暇中、両親のお墓参りに行くと言っておりましたので、自宅にいるのではと思います」
シキがつばを飲み込みながら言う。
すると、フランさんは右手を上に上げ、扉の方に向かってクイっと手を動かした。
急にバタンと音を立てて開いたドア。
その前には、見張りをしていた執事が数名立っている。
「命令だ」
フランさんの声が響くと、今まで見張りをしていた執事達はピンと背筋を伸ばしフランさんを見る。
「今すぐにヘンリーのもとに向かえ‼見つけ次第すぐにここに連れてくるのだ‼良いか‼一刻も早く見つけ出せ!!」
「はい!かしこまりました‼」
数名の執事は深く頭を下げると、走って廊下に出て行った。
「このフェスティバルはここで終わりにしよう。あまりにも危険すぎる」
フランさんが言うと、それを聞いていたメイドさん達が頷いて廊下に出ていく。
きっと、フェスティバル終了を知らせに行ったんだろう。
「私達も動くとしよう。サラさん、その紙を見つけた場所へと案内してくれるかな?」
フランさんに聞かれ、あたしは大きく頷いた。