悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
「だけど……」
ルカは前かがみになると、顔を洗うように手で覆った。
「今の被害者は10人。だから残りはあと5人なんだ」
「…………」
「そのうちのひとりは、もう何年も前に病気で亡くなってる」
「…………」
ルカは苦しそうに声を出し、頭を抱える。
「今保護しているのは4人。4人で、奴隷制度に関わっていた人物は全員なんだ。それ以上に関わってる者はいない」
「……ルカ。どうしたの?」
ルカがあまりにも辛そうなので、あたしは前かがみになるルカの肩に手を置いた。
「嫌な予感がするんだ」
……嫌な、予感?
「5人目が、いそうな気がして」
「……5人目?」
「いや、これはあくまでも俺の予感だ。気にしなくていい。でも、一応、おまえも用心しておけ」
あたしも?
「どうしてあたし?あたしは何も関係してないから大丈夫でしょ」
「関係なくてもだ。頼む」
ルカの真剣な表情が、あたしに向く。