悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
ヘンリー達の心の傷がどんなに深いか。
わかろうと思っても、経験していないあたしには全てをわかってあげられない。
何を言っても、きっと彼らはふざけるなと思うに違いない。
だけど、きちんと言ってあげなきゃ。
復讐なんて間違ってるって。
憎しみがあるのはわかる。
だからって、復讐で相手を殺せば殺すだけ、もっと傷は広がるはずだ。
11人目の死者が出る前に、何とかして止めなきゃ。
ルカはあたしの首筋から顔を上げ、そっとあたしの額にキスをした。
「今日はもう寝ろ。俺はまた明日の朝早く魔界に行くから、おまえはシキから離れずずっとこの屋敷内にいるんだ。わかったか?」
あたしはルカの手を握って、微笑みながら頷いた。