悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
翌日、あたしはシキと一緒にまた図書室の例の場所に行ってみた。
だけど、やっぱり、何もわからないまま。
「ねぇ、シキ」
あたしは本棚からあの本を取り出しながら、一歩後ろにいるシキを呼ぶ。
「どうかなさいましたか?」
「残りの4人は、きっと大丈夫だよね?」
「…………」
「みんな一緒にいるんでしょ?もう誰も被害者は出ないよね?」
あたしが勢いよく後ろにいるシキを振り返ると、シキは切ない顔で笑みを作っていた。
「はい。大丈夫ですよ。そうならない為に、厳重な注意をはらっています。決して、これ以上の被害者を出さなよう」
そう言いながらも、シキの表情はとても不安そうだ。
シキの気持ちもわかる。
どんなに気を張っていても、こればかりはどうなるかわからないんだから。
どこから攻めてくるかもわからなければ、それがいつかもわからない。
一刻も早い発見が必要なのに……。
ヘンリーは一体どこに消えたって言うの!?