悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~


翌日、あたしはシキと一緒にまた図書室の例の場所に行ってみた。


だけど、やっぱり、何もわからないまま。


「ねぇ、シキ」


あたしは本棚からあの本を取り出しながら、一歩後ろにいるシキを呼ぶ。


「どうかなさいましたか?」


「残りの4人は、きっと大丈夫だよね?」


「…………」


「みんな一緒にいるんでしょ?もう誰も被害者は出ないよね?」


あたしが勢いよく後ろにいるシキを振り返ると、シキは切ない顔で笑みを作っていた。


「はい。大丈夫ですよ。そうならない為に、厳重な注意をはらっています。決して、これ以上の被害者を出さなよう」


そう言いながらも、シキの表情はとても不安そうだ。


シキの気持ちもわかる。


どんなに気を張っていても、こればかりはどうなるかわからないんだから。


どこから攻めてくるかもわからなければ、それがいつかもわからない。


一刻も早い発見が必要なのに……。


ヘンリーは一体どこに消えたって言うの!?




< 239 / 296 >

この作品をシェア

pagetop