悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
ヘンリーと庵可
それは本当に一瞬で、何が起こったのかわからなかった。
気が付いたら、あたしは、学校の図書室にいた。
そして、目の前には、驚いて目をぐっと丸くする梓。
「さ、サラ……。今、どっから現れたの!?」
梓は手に持っていた本を落としそうになって、慌てて両手で支えていた。
「あ、梓……。あたし、本当にどうやってここに来た?」
変な目眩に襲われて頭を押さえると、梓は急いで本棚に本を戻しあたしの体を支えてくれる。
「ありがと……」
「サラ、本当に大丈夫?一回家に帰ったんだよね?なのになんで急に……」
「あたし、ここを出てすぐにルカの屋敷に行ったの」
「そう言えば、なんか閃いたっぽかんたもんね」
梓の言葉にあたしは、深呼吸をしながら頷く。
体に思うように力が入らなくて、足元がフラフラする。
ルカの屋敷の図書室に行って、ルカが本をあたしの側でめくった瞬間、指輪が反応して本の中に吸い込まれたんだ。
そして、一瞬でここに来ていた。
ハッとして振り返ると、そこはやっぱり天体関係の本が置いてある本棚。
これで、図書室同士が繋がってることが明らかになった。