悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
「梓!無事でよかった‼」
あたしが梓の手を強く握ると、梓は突然何?と言う風に眉を寄せた。
「なに?急に」
「とにかく、無事でよかったの‼」
梓はやっぱり意味不明というように、苦笑する。
「梓!ここは危険だよ!早くルカの屋敷に行こう!」
あたしが梓の手を引いて図書室を出ようとすると、梓は「待って」と足にブレーキをかけた。
「ここで待ってなきゃ」
あたしは首を傾げる。
「庵可くんと約束したの。今からここに来るって連絡きたから」
え!?
今からここに来るって!?
やっぱり、庵可くんは梓に手を出すつもりだったんだ。
魔界で調査に必死になる悪魔達の目を盗んで、人間界で梓に何かするつもりだったんだ‼
「庵可くんから、どれくらい前に連絡きたの?」
あたしが早口で言うと、梓はあっけにとられて少しポカンとしている。
「えっと……30分くらい前かな?」