悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
「周りの悪魔に正体を見破られないようにだ。毎日毎日吐き気がするほどキツイ匂いを体に振りかけるのがどれだけ辛かったか」
失笑しながらあたしに近づいてきた庵可くん。
視線が時々ずれるから、あたしの姿は見えていないんだろう。
本当に、血の匂いをたどって近づいて来ているんだ。
あたしはゴクリとつばを飲み込み、また体を動かす。
すると……。
ガタン!
足元のがれきを踏んでしまい、多いな物音を立ててしまった。
「そこか‼」
すかさず庵可くんの攻撃があたしに向く。
「きゃぁぁ‼」
足元のコンクーと激しく崩壊すると共に、あたしの体は遠くまで飛ばされた。
当然、結界も解かれてしまう。
コンクリートに叩きつけられた体が痛い。
もう、自分から立ち上がる力さえ残っていなかった。
「おー。血のいい匂いがする」
太もも、膝、足首。
体中のいたるところから出血している。
火傷をしたように、痛むところもある。