悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
ジリジリと距離をつめてくる庵可くん。
ヘンリーも楽しそうに口角を緩めながらあたしに近づいてきて、両端から挟まれるしまった。
「もうお終いか?俺もあんたで遊ぼうと思ってたのに」
残念そうに声を出したのはヘンリーだ。
あたしに近づきながら、庵可くんと目を見合わせクスクスと笑う。
ああ……。
もう、ダメだ……。
体の痛みで、意識ももうろうとしてきた……。
ルカ……。
あたし……もう……。
もう少しで意識を手放してしまいそうになった。その時。
あたしの体が急に、フワリと宙に浮いた。
薄ら目を開けると、あたしを抱きかかえているのは、セドリックだった。
「セドリ……ック」
かすれる声を出すと、セドリックはあたしを一瞥して高く空に飛んだ。
「逃がすか‼」
庵可くんがセドリックに向かって攻撃を放つが、セドリックはいとも簡単に避けた。