悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~


「私です」


セドリックと並んで前に出てきたのは、シキだった。


「ほお。使用人がふたりか」


庵可くんは言ったあと、大きな声で笑いだした。


「使用人の魔力などたかが知れてる」


「…………」


「ここが、おまえらの墓場になるだろうな」


庵可くんが言うと、ヘンリーとふたり高く空に舞い容赦なく攻撃をしてきた。


セドリックとシキも空に舞い、攻撃を避ける。


残されたあたし達は、走って攻撃を避ける。


だけど、ただ走ったからって限度があった。


バラバラと散るがれきが、あたし達を襲ってくる。


ルカは、自分の体であたしを守り、自分は直接がれきに当たっていた。


「……ルカ」


「しゃべるな。俺は大丈夫だ」


「…………」


「俺が、おまえを守ってやる」


そう言うと、ルカはあたしを抱える手に力を入れてまた攻撃をかわした。


息の切れる3人。


空では懸命に闘っている、セドリックとシキ。


あたしはただルカに守られるだけで、何もできなくて……。


辛い……。




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