悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~


3人は同時に両手を眺め、戻り始めた力を実感していた。


「残念だったな。どうも魔力が戻ったようだ」


ルカが言うと、ヘンリーは「なに?」と後ずさりを始めた。


もう何の迷いも無くなった3人は、前に出て一列に並ぶ。


「俺達を3人この場に集めたことが、運のつきだな」


「くそ……」


ヘンリーが舌打ちをした、その時だった。


3人は同時に手の平に光りのボールを作りだし、庵可くんとヘンリーに向けて手を伸ばした。


「消滅だ。今までおかしてきた罪を償うんだな」


フランさんが言うと、3人の手から同時に光りがふたりに向かって飛んで行った。


本当に一瞬の出来事。


眩しい光に包まれたふたりは、跡形もなく消え去った。


ふたりの消えたあとには、静かな風が吹き込んだ。




< 284 / 296 >

この作品をシェア

pagetop