悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
3人は同時に両手を眺め、戻り始めた力を実感していた。
「残念だったな。どうも魔力が戻ったようだ」
ルカが言うと、ヘンリーは「なに?」と後ずさりを始めた。
もう何の迷いも無くなった3人は、前に出て一列に並ぶ。
「俺達を3人この場に集めたことが、運のつきだな」
「くそ……」
ヘンリーが舌打ちをした、その時だった。
3人は同時に手の平に光りのボールを作りだし、庵可くんとヘンリーに向けて手を伸ばした。
「消滅だ。今までおかしてきた罪を償うんだな」
フランさんが言うと、3人の手から同時に光りがふたりに向かって飛んで行った。
本当に一瞬の出来事。
眩しい光に包まれたふたりは、跡形もなく消え去った。
ふたりの消えたあとには、静かな風が吹き込んだ。