悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
あたしがみんなに聞くと、シキとセドリックは目を見合わせ頷いた。
「サラ様。契約書のことは、サラ様が一番おわかりでしょう?」
シキがあたしに近づき優しい口調で言う。
「契約書に書かれていることは絶対です。例外はございません。彼らは、完全に消滅しました」
そっか……。
うん、わかってる。
あたしだって、契約書にそって一度は記憶を消されて人間界に戻って来た。
契約書の重さは、あたしが一番知ってるんだ。
だけど……。
実際、目の前から消えてしまうと、寂しさが心を襲う。
「あ!そうだ‼梓は!?」
ルカを振り返ると、ルカはフランさん達と目を見合わせ頷いた。
「一旦城に戻ろう。ヘンリーと梓さんが城で入れ換わったのなら、まだ、城のどこかにいるのかもしれない」
フランさんの言葉に、あたし達はフランさんの城に急いだ。
魔力の戻った今、あたしはルカに抱えられ、黒い影の中に入り込み、魔界へワープする。
数秒でフランさんの城に到着した。