悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
ガタガタ震える梓の背中を優しくさする。
ルカが梓の体を抱きかかえ、入れ物の中から出してくれた。
梓の手足は、ダランと下に垂れている。
「ルカ様……。ありがとうございます」
「よい。もうしゃべるな。上に行って、温かいものを食べろ」
ルカの優しい声が、地下牢に響く。
……よかった。
梓は無事だった……。
本当に、よかった。
すぐに梓を医者に診てもらい、温かいものを食べさせて安定剤を打って寝させた。
そして、この城で起こった全てのことを記憶から消したんだ。
目が覚めた時に、恐怖に怯えないように。
覚えているのは、魔界の存在だけ。
冷たく震えあがるような想いは、もうしてほしくない。