悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~


「ルカ、まだだよ」


あたしが笑いながら言うと、ルカはあたしの言うことなんて聞かず空を見上げている。


ピンと張ったルカの首に、喉仏がはっきり見えてカッコイイ。


口角を上げ、久しぶりに笑っていた。


「サラ!ほら!見ろ‼太陽が欠け始めてる」


ルカが空を見上げながら、太陽を指差した。


あたしは急いで黒いシートを目に当て空を見上げる。


ゆっくりゆっくり太陽が欠けていって、周りも暗くなっていく。


太陽の光がどんどん弱くなっていき、とうとう、太陽が細くて丸い輪のようになった。


まるで、指輪のようにキラキラと輝いている。


キレイ……。


これが、金塊日食なんだ。


この次見られるのは、何年後なんだろう。


大好きな人と並んで、キセキ的な日を過ごせるなんて、とても幸せだ。


「うわ~!! これが日食!?すっげ~‼」


突然聞き覚えのある声が背後から聞こえ、あたし達は勢いよく振り返った。




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