悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
まだ薄暗い中、庵可くんにとても似ている男子が黒いシートも付けずに空を見上げいた。
あたしは目を丸くしてルカを見上げる。
なんで、庵可くんがここに……?
庵可くんは、ヘンリーと共に消滅したはずなのに……。
「シオン!おまえこれ付けないと目ぇ痛めるって」
あとから屋上に上がって来た他の男子生徒が、シオンと呼んだ男子に黒いシート手渡した。
「あ~、ごめん。サンキュー」
男子生徒からシートを受け取ったシオンは、チラリとあたし達を見た。
そして、軽く頭を下げると、黒いシートを覗き込んで空を笑顔で覗き込んでいた。
あとから来た男子生徒も、よく見ると、ヘンリーに似ているような気がする。
だけど、そんな気がするだけ。
消滅した後に、この世に現れるはずないから。
そう思いながらも、あたしはルカと目を見合わせ、微笑みながら肩をすくめた。
そして、みんなが空に夢中になっている隙に、そっと唇を合わせた。