悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
温かくて、抱きしめられる力はとても強いのに、あたしを包むルカの腕はとても優しい。
決して、魔界では見せない顔。
だから余計にドキドキして、愛しさがこみ上げてきた。
「ルカ」
あたしは体を離し、間近にあるルカの顔を見上げる。
「ルカ、聞いて」
教室が静かすぎて、声を出すのを躊躇ってしまう。
「なんだ?」
「あたしも同じだよ?」
あたしが言うと、ルカの右眉がピクリと動く。
「あたしも、ルカが決めた覚悟のように、ルカの為に魔界で暮らす覚悟がある。ルカが消滅になりそうなら、あたしが魔界で暮らす」
「……サラ」
「フランさんや、ヘイリ。それにシキやルカと一緒に、魔界を守っていきたい」
きっと、チヅルさんもそれを望んでいると思うから。
せっかく、記憶が戻って、ルカのことを思い出せたんだ。
このまま離れる選択をするのは、あたしには、出来ない。
「サラ。おまえは、これからずっと、俺の傍にいてくれるのか?」
ルカの瞳が微かに震えた。