悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
こんな弱々しいルカの顔を見たのは、久しぶりだ。
俺様で、性悪で。
常に悪ぶっていて。
でも本当は、誰よりも心やさしくて、寂しがり屋。
ひとりになると、寂しくて死んでしまう。まるで、ウサギみたいなヒト。
「傍に、いさせて」
ルカの目が泳いだ。
眉間にしわを寄せて、唇を噛みしめて。
泣くのかと思った。
でも、泣かなかった。
ただ、目を真っ赤にして、それでも涙をこらえて。
本当に、強がりなヤツ。
おかげで、あたしが泣いてしまったじゃん。
ルカのせいだ。
あんたが涙をこらえたりするから。
その姿を見ているだけで、泣けてくる。
幸せだから。
本当に、幸せだから。
悪魔のくせに、幸せを運んで来るなんて。
タチの悪い悪魔め。
ルカの手が、私の目元に伸びて来る。
優しい手つきで涙を拭い、両手で私の顔を掴みグイっと上を向かせた。