悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
「サラ様!?」
ルカの屋敷に到着すると、玄関でたくさんのメイドや執事達が目を丸めあたしを見てきた。
「た、ただいま」
少し照れくさい。
「サラ様、どうして……。サラ様はもう、こちらのことは……」
あたしの記憶が戻ったことに、全員が驚いている。
やっぱり、一度人間界に戻った人が、記憶を戻してここに帰って来るって、ないことなんだ……。
「あたしも自分でビックリしたの。だけど、最初から全て忘れてたわけじゃなかった……」
朝起きた瞬間から、何か引っかかるものがあったし、ルカが転校してきて顔を見たら胸が苦しくなったし。
頭で記憶を消されても、ここで過ごした思い出は心に深く刻み込まれていたんだ。
“思い出“は、きっと魔力でも消せないんだと思う。
「さあ、お話はまたゆっくりするとして」
シキは言いながら、自然な流れであたしが手に持っていたスクールバックを取った。
ルカのバックは、他のメイドさんが。
「お茶の用意をいたしますので、ルカ様のお部屋でお待ち下さい」
「行くぞ、ブス」