悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
シキに返事をする前に、ルカの声が横入りしてくる。
ホント、自己中のところは何一つ変わってないんだから。
あたしはまた、ルカの心を教育していかなきゃいけんだろうか……。
「あ!待って!!」
あたしは、お茶を飲む前に行きたいところがあった。
「その前に、チヅルさんのお墓に行ってもいい?」
あたしが人間界に戻される前、ルカがフランさんにお墓を作ろうと言っていた。
だから、もうきっとこの屋敷内のどこかに、チヅルさんのお墓が出来てると思ったんだ。
ルカはあたしを振り返り、「全く」と呆れながらも微笑んでいた。
「それでは、私がご案内いたします」
「あ!シキはいいよ。ルカにお茶の準備をしてて。お茶の時間が遅くなったらまた機嫌が悪くなるでしょ?」
あたしはわざとルカに聞こえるように嫌みったらしく言う。
その言葉で既に不機嫌になったルカが、チッと舌打ちをする。
シキはそんなルカの姿を見て、肩をすくめる。
「場所は大体わかるから。あの、バラ園だよね?」
「さすがサラ様。その通りでございます」
シキがニッコリ笑う。