悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
「それでは、お茶の用意が出来ましたらお呼びしますので」
「わかった」
あたしはシキに答え、走って玄関を出る。
玄関から庭に下りる、20段くらいはありそうな階段を駆け降りる。
人間界はムシムシと湿気の多い暑さなのに、ここは何だカラっと乾いた暑さのような気がした。
これも”結界“を張っているから?
あたしの学校の近くにある大きな山の中にあるこの屋敷は、人間に見つからないように結界を張って生活している。
何故、魔界の王子ルカが、魔界ではなくこの人間界で結界を張ってまで生活してるかは、彼が、悪魔と人間との間に生まれたハーフだからだ。
魔界では、ハーフであるルカはあまり受け入れらておらず、こうやってここで生活をしながら、ルカはたまに魔界の仕事に出たりしている。
そして、ここで暮らしているもう一つの理由は……。
「チヅルさん。お久しぶりです」
ルカの母。
人間のチヅルさんを、悪魔から守る為でもある。