悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
「ルカ様とは一緒じゃないの?」
外はムシムシと蒸し暑いのに、この狭い教室に何重にもできた人だかりで余計に暑さが増している。
「いっつも一緒にいるわけじゃないよ」
あたしはとりあえず梓に答え、なんとか人ごみをかき分けて自席に座った。
「ちょっと詳しく話しを聞きたいんだけどさ。ルカ様とサラは何?どういう関係なの?」
梓はあたしに聞きたいことがたくさんあるんだろう。
ひとつひとつ頭で整理するように、真剣に聞いてくる。
どうしよう……。
昨日家で、今日どう答えるかイメトレしてくればよかった。
どういう関係か……?
悪魔と、その悪魔の心の教育係。だなんて……口が裂けても言えない。
「あぁ……あたし達は、前から、その、知り合いで……」
あたしが言うと、梓を初め、周りのみんなが眉間にシワを寄せる。
聞きたいことは、そんなことじゃないと言わんばかりに。
「前からの知り合いなのは、昨日のを見てればわかるって。あたし達が知りたいのは、どうしてサラがあんなイケメンのルカ様のことを忘れていたのかと、どうしてあんなイケメンのルカ様と出会ったのかってこと!!」