悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~


“あんなイケメン“を繰り返しいう梓に、あたしは苦笑いを向けた。


あたしがルカのことを忘れていたのは、魔界から人間界に返される時に、シキがあたしの記憶を消したから。


そして、ルカと出会ったのは、あたしがルカの心の教育係に任命されたからだ。


「まぁ……ちょっと色々事情があるんだけど……え~と……何から話せばいいのか……」


「話す必要などない」


あたしが言葉を選び選び言って困っていると、女子の輪の間からルカの低い声が聞こえ、その瞬間ルカを避けるように輪が半分に割れた。


「ルカ様っ!!」


女子みんなが、両手を組み目を輝かせる。


みんなの瞳にハートが見えるのはあたしだけ?


ルカは暑いからか、制服をかなり着崩している。


シャツのボタンは第2ボタンまであけ、緩いネクタイはだらしないけど、”あんなイケメン“のルカがすればカッコよく見える。




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