悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
ルカはあたしの前に来ると、今まで無表情だったのにあたしを見下ろし表情を緩めた。
それを見て、みんなは頭を抱えるようにして嫉妬に狂っていた。
「俺らがどのような関係なのか、見ていればそのうちわかるだろう」
そう言って、いきなりあたしの腕を掴み椅子から立たせた。
「な、なに?」
みんなが見ている手前なんだか落ち着かない。
「来い。個人的に話がある」
「え、ちょ……」
ルカに無理矢理引かれた体は、大きく前のめりになりみんなの輪の中に顔から突っ込む形になった。
ルカの行動に、女子達が『きゃー!!』と叫ぶ。
転ばないように体勢を整えようと、腹筋に力を入れた、その時。
「うわ……。本当にイケメンが転校してきたんだ」
女子の輪の中でひとり、ルカ意外の男の子の声がした。
奇声を上げていた女子達は、サッとその声の方に目をやる。
あたしも人の間を覗き込むように見ると、そこには小柄な男子が興味津々な目であたし達を見ている。