悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
「うわっ!!そっちの方、もしかして彼女さんっすか?めっちゃ可愛い」
……え?
か、彼女って。
あ、あたしのこと……だよね……。
か、可愛いって……。
「美男美女カップルかぁ……。僕、初めて見たかも!!」
あたしとルカを交互に見る彼は、キラキラと目を輝かせグググっと近づいてきた。
「ふたりとも相思相愛っすか?うわ~。近くで見たら余計お似合い。彼女も可愛い!!」
ルカの後ろに隠れるあたしをわざわざ覗き込んで来た彼の前にはばかるように、ルカの体が動く。
そして……。
ゴゴゴと鈍い音を立てて、ルカの体から何やら黒い物体がユラユラ浮かび始めた。
や、ヤバい……。
ルカがキレてる。
こんなところで魔力出してどうすんのよ!!
みんなにバレるでしょうが!!
あたしはルカの体の周りで揺れる黒い影をもみ消すように両手を大きく動かしたあと、ルカの腕を強く引っ張って人ごみの中を無理矢理進んだ。