悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
「別に?ただ、アイツが気にくわないだけだ」
気にくわないって……。
たったそれだけの理由で。
「ああ、そう」
また階段を下りようとしたルカは、またピタリと立ち止まって再びあたしを振り返った。
「明日から朝迎えに行く」
「……え!?いいよ!!あんな車で迎えに来られたら近所がビックリするし、まだあたし親にも話してないし」
「関係ない。俺が迎えに行くと言ったら行くんだ。おまえは大人しくそれに従え」
な、何を勝手な……。
個人的な話って、もしかしてそのことだったの?
迎えに来るって……。
ああ、もう!!
お母さんにどう説明したらいいのよ!!
あたしは階段を下りていくルカの背中に向かって、大きくため息をついた。
もう……前途多難……。